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物流という大きな障壁

栽培だけが農業じゃない!

農業というと農産物を栽培(生産)することをイメージすることが多いと思う。事実、栽培が労働時間割合の多くを占めている。しかし、農業というのは作れば良いってもんじゃないとわたし自身は感じている。

どんなに見た目がよくて、美味しい野菜を作っても、買い手であるお客様のもとに商品を届けられなければ、お金に変えることはできない。

「野菜を栽培し、お客様のもとに届け、売上をたてる」。忘れがちだが、ここまでやって初めて農業なのだ。

個人で直売所などに出荷するだけなら、軽トラ1台あれば運べるかもしれない。ただ、利益を出すためには、販売量もある程度多くなるため、軽トラ1台というわけにはいかない。また、農地の管理を放り出して納品に行くのも、決して賢い選択とはいえない。

配送専用の人を雇い入れるためには、それなりの生産規模が必要にもなってくる。物流網を持っていない場合は、物流会社に依頼するのが一般的だろう。ならば、近くの業者に連絡して解決する他ない。

物流という高い障壁!

物流会社のトラックを街で見かけることがあると思うが、大抵のトラックは3トン以上の荷物を積んだ大型トラック。利益を出すためには、ある程度の販売量が必要と前述したが、最初からトラックを満杯にするほどの量を栽培することは不可能に近い。つまり、物流会社には「共配」をお願いすることになる。

共配とは共同配送の略で、同じようなルートを通る荷物を一緒に乗せて配送することをいう。つまり、野菜の配送先が、物流会社の配送ルートに入っているか確認しなければならないのだ。

もうひとつ、野菜は「生き物」でなので、常温便ではなく、鮮度を保てるよう冷蔵便での配送が好ましい。

納品先までのルートを持ち、かつ冷蔵便であること。この2つの条件が当てはまる物流会社をまずは探す必要がある。

これがなかなか大変!

農業規模を大きくする為には野菜の栽培と並行して、販売先の開拓を続ける必要がある。ただ、新規のお客様を掴むことができても、そこへ届けるための物流手段があるとは限らない。

せっかく興味を持ってくれたお客様がいるのに、そこに届ける術がない。そのようなことにならないためにも、複数の物流会社と付き合うのが得策。物流会社を1つに限定したとしても、継続して配送を依頼していれば、融通を利かせてくれることもある。

物流を経営の障壁にしないためには、幅広い人脈とお付き合いによる情報収集と周年栽培を基盤とした出荷の継続が必要なのだ。

周年栽培と言ったのは、販売する相手の立場になれば理解できる。販売先のお店の棚に商品があったりなかったりしたのではお店の信用度も落ちてしまう。当然ながら取引も難しくなるということである。

よく、観察してもらいたい。自分で作った農産物が一体、末端ではいくらで売られているかを・・・。実際に自身が栽培した農産品をそもそも見たこともないかもしれない。こういった状況は協同選果・共同販売で見られがちである。

そもそも、どこでどのようなお客様が買っているかなんて考えたこともない農家も多いのではないだろうか。

川上から川下まで

根気よく物流網の開拓を続け、条件の合致する物流会社を見つけることができれば、自社の野菜を全国のお客様のもとへ届けることも可能になる。

販売先を増やし、栽培技術も向上してくれば、出荷量を年々増やすこともできるだろう。自分の作った野菜を満杯に積んだトラックが、日本全国を走り回る日がいつかくるかもしれない。

農業は栽培技術だけでなく、物流も含めた様々な問題を解決してはじめて農業経営者と呼べるのではないだろうか。生産にのみ勤し人々は農業者(生産労働者)の域から脱することは出来ないとも思う。

単なる農家ではなく、農業をなりわいとして生きるいち社会人として、努力と挑戦を続ける姿勢がこそが明日の農業を切り開いていく原動力となっていくのではないだろうか。

まとめ

わたし個人の考え方なのだが、販売・物流・生産などを全て委託するような形では、一労働者に過ぎないと思っている。一般的に農業は薄利多売の世界であるとよく言われているが、それは大きな間違いである。

薄利とは自分で価格が付けられないからことから生じた言葉であり、価格決定権を有していないがための現状そのものを意味している。農業者が大きく減っている原因には儲けることが出来ないから減少していく。これは、農業界だけの話ではない。利益が出せなければ自然淘汰されていく運命にある。

今一度、自分の作った農産物がどこで売られ、いくらで売られているのかをよく調査してもらいたい。意外と農業者以外の人が利益を上げていることに気づくのではないだろうか。

売上を伸ばすためには生産量を増やせば良いってもんじゃない。価値を作り、多くの人に知ってもらい、良いものを買っていただく。これこそが農業経営なのだ。農家に格好づけ、生産だけしている労働者になってしまっては実にもったいない。

そこに、物流の視点を加えることが出来ればさらに多くのお客様にお届けが出来ることになる。それから生産量を増やしていっても良いのではないだろうか。

自分の頭で考え、行動するもしないも結局のところあなた次第だということを・・・!

さて、あなたなら今後どうしていきたい?

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