雇用する力は継続する力
知っているだろうか?
外国人労働者の受け入れ拡大に向けて、政府が来年4月の導入を目指している新たな制度の骨子が明らかになり今国会に提出することを。
国は、本格的な移民政策に舵を切り始めたということになる?官房長官は移民政策ではないと言っているが、実質的には移民政策に向けた前段階に過ぎないのでは?と思ってしまう。わたしは、賛成なのだが・・・。
現在、就労目的の在留資格は大学教授や弁護士などの「高度な専門人材」に限定しているが、新制度(来年4月から)は建設や農業などの単純労働も対象としており、大きな転換となる。(他に確か17分野あったと思う。)
利益率を上げよう!
雇用するためには、人件費を生み出す経営構造でなければならない。ここで、注意しなくてはならないのは、パート・アルバイトの扱い。わたしが言いたいのは、一時的な雇用ではなく周年をとおした雇用であるという点に注意したい。
普段、家族経営の農家は自分を含め、家族の時間給をあまり気にしない。それは資金の融通が出来るからである。来月払ってもいいし、もしかしたら払わなくてもいいかもしれない。それだから家族農業が出来るわけである。
極端な話をすれば、時給500円、200円でもいいということでもある。
農業は、労基法の適用外なので、誰も文句は言わない。一応、家族農業限定!
それでは、家族労働者も含め一体、一人一人の時給はいくらあるのだろうか1度試算してもらいたい。
- 1,000円/時間ではアルバイト・パート賃金並み
- 1,500~2,000円/時間で労働派遣並み
- 2,000~4,000円/時間で大手から中堅会社の社員並み
いかがだろうか?
家族労働者といえども、2,000円~4,000円ぐらい支払いたい!この額まで来ると雇用はいつでも出来るのではないだろうか?
同じ生産量・労働量でも利益率を上げることで利益も上がる。
たとえば、10aあたり100万円の売上があるとする。
では、売上を倍にするためにはどうすべきか?
数量×単価×2面積=200万円
数量×2単価×面積=200万円
面積を倍にして売上を2倍にする。(従来型)
※リスクも2倍・資材費も2倍・作業量も2倍
同一面積で単価を2倍にする。(未来型)
※同一リスク・資材費半減・作業量は従来どおり
重要なのはこの2単価である。即ち、価格決定権がどこにあるかだ!
本来であれば、価格決定権者は生産物を所有している農家でなくてはならない。今はJAや仲卸が事実上の価格決定権者である。
よく似た構造体がある。それは「下請負(下請け)」である。
JAや仲卸に請け負けているから下請け構造と言われても仕方がない。
本当にそれでいいのだろうか?
本来であれば、農家がJAを動かし農家の提示価格でJAが交渉するのが筋ではないだろうか。各生産部会の立ち位置を今一度見直してみよう。
JAは基本農家の組合員によって組織された団体である。
名目上は組合員の総意により組織運営されている。だが実態はその真逆である。ほとんどの議題や議案をJAが立案・提出している。JA組織の思惑どおりに組合員が議決する。組合員の改革意思はどこで繁栄されているのかいささか不透明である。
また、組合員自身もJAに丸投げしている感は否めない。
給与支払者は常に利益を上げなければ雇用(15万円/月ぐらいは)できないということである。雇用できなければ、持続可能な農業は基本的には出来ないことを意味する。
雇用できる農業にすることが急務
農業のIT化・新たな雇用制度・石油価格の高騰・少子高齢化など農業を取り巻く環境は益々厳しいものとなってきている。
- 農業のIT化(購入コスト増加)
- 少子高齢化によるパートなどの人材不足
- 高賃金化
- 石油価格の高騰(ガソリン・重油・資材の高価格化)
- 農産物の低価格化
- 補助金の打ち切り(米の直接支払い交付金等)
- 消費税10%
生産コストは益々増大していく!
雇用する農業に替えていかなければ、いずれ農業が出来なくなる。
生かさず殺さずの農業が一番いい!
農家が儲かると国民は困る現実
国民にとって食料品価格が上がれば生きていけなくなるという現実がある。国としても農産物価格はぜひ抑えておきたい。農家が儲かると国民は困ってしまうのである。
農家がいなくなると国民は困る
農家がいなくなっても国民は困る。そこで、価格決定権を持ち合わせない農家には飴と鞭を使い分ける。(補助金)実に効率の良い仕組みである。
- 雇用補助
- 施設補助
- 新規就農補助
影響されない農家がいる
農家自身が価格決定権を持ち、自分で売ることの出来る農家は少なからずいる。こうした農業をしているところは周年雇用をしているところが圧倒的に多い。
周年雇用出来ない理由を真剣に考えよう!
日本人であれ、外国人であれ周年雇用に挑戦しよう。10年後には新城の農地が確実に余る。大きなチャンス到来となる可能性がある。その時のために、今から準備しておこう。
「ローマは一日にしてならず」のとおりプロの仕事は1日や1年で出来る仕事ではない。だからこそ今!何をすべきかを真剣に考えるべき時ではないだろうか?