新農業の幕開けか?
是非この記事を一読してもらいたい。
農業を根底から覆す機械の誕生である?
今までの農業機械とは一線を画す画期的なものであることは、誰もが理解するだろう。
除草剤を雑草一株ごとに噴射。除草剤20分の1、作業員が作業しなくてもいい魔法の農作業機である。まだ、開発段階みたいではあるが早期発売に向けて準備が進んでいる。
でも、価格いくらだ?
どれだけの農家が購入できるのかが、それが大問題!それも海外メーカーときた!
価格やメンテナンスのことも考えると、なんともしがたい状況だ。あなたなら、どうする。
ロイター引用記事
[イベルドンレバン(スイス)/シカゴ 22日 ロイター] – スイスにあるビート(甜菜)畑では、テーブルのような形をした車輪付きロボットが、畝(うね)の間を移動し、搭載されたカメラで雑草を見つけては、機械の触手の先から青い液体を正確に噴射していく。青い液体を除草剤に代える前の最終テストをおこなっているこの太陽電池式ロボットは、新世代のAI(人工知能)除草機だ。
こうした新型ロボットの登場によって、万能除草剤や、それに耐えられる遺伝子組み換え(GM)作物の必要性が薄まり、約1000億ドル(11兆円)規模の除草剤・種子産業を一変させる可能性があると、投資家は注目している。
独製薬・化学大手バイエルや米化学大手ダウ・デュポン、独化学大手BASF、農業バイオ大手シンジェンタが牛耳るこの業界は、こうしたデジタル農業技術の影響に備え始めている。すでにビジネスモデルを適合させ始めた企業も出てきた。
これが意味するところは巨大だ。除草剤の売り上げは、年間260億ドル規模に達しており、農薬の年間売上げの46%を占める。また、GM種子の9割に、なんらかの除草剤に対する耐性が組み込まれていると、市場リサーチャーのフィリップス・マクドゥガル氏は言う。
「現在、農業化学大手の手中にある収益プールの一部は、農家やロボット製造企業に移ることになるだろう」。食品サプライチェーンに絡む企業に投資している10億ドル規模のピクテ・ニュートリション・ファンドのセドリック・ルカンプ氏はそう予測する。
これに対し、バイエルなどの企業は、独自の除草剤噴射システム開発に向けてパートナー企業を模索している。また、中国国有化学大手の中国化工集団(ケムチャイナ)CNNCC.UL傘下のシンジェンタは、新装置から作物を保護する製品開発を検討している。
まだ初期段階にあるものの、こうした1株ごとに作物を世話する技術は、これまでの作物生産における一般的方法とは一線を画すものだ。
現在は、農薬・種子世界最大手の米モンサントの「ラウンドアップ」のような植物の種類を選ばず効果を発揮する「非差別性」除草剤を、耐性があるGM種をまいた広い畑に散布するのが、もっとも収益性の高い農業経営モデルの1つとなっている。
<識別して噴射>
前出のAI除草機を開発したスイスのエコロボティクスは、これを使えば、農薬使用量を20分の1にまで減らせると考えている。同社は、投資家との出資交渉が最終段階にあり、2019年初頭には同製品を市場投入する計画だと述べている。
昨年米トラクター製造のディア・アンド・カンパニーに約3億ドル(330億円)で買収された米シリコンバレーのスタートアップ企業ブルー・リバーも、搭載カメラで雑草を識別し、必要箇所にだけ除草剤を噴射するマシンを開発した。
同社の「識別して噴射」する除草機は、すでに米国の綿花畑でテスト段階にある。トラクターがけん引して使うもので、同社は、作物が成長段階にある間の除草剤の使用を9割カットできると見込んでいる。
独エンジニア会社ロベルト・ボッシュや、デンマークのアグロインテリなども、類似の精密噴射機器の開発に取り組んでいる。
ロボットやオートメーション関連の投資インデックスを運営するロボ・グローバルのリチャード・ライトバウンド氏は、1株ごとの散布は今後重要性を増す一方だと語る。
「技術の多くはすでに導入されている。あとはどうやって農家向けに適正な価格で売り出すかだ」と同氏は語る。「除草剤を10分の1にまで減らせるのなら、生産性の面でも農家にとって非常に魅力的だ。また、環境にやさしいこともあり、どこかの時点で、義務化されないまでも、非常に高い人気を得るだろう」
これも追加で!
ピンポイントで除草剤を散布、AIロボで農薬産業激変の可能性
MITテクノロジー レビューより引用
人工知能(AI)による雑草刈りは、除草剤や遺伝子組換え作物の必要性をすぐに減らせるかもしれない。現在の農場では、化学物質に耐えるよう遺伝子を加工した(通常、除草剤を製造するのと同じ会社による)作物がいっぱいの畑に、除草剤を無差別に大量散布している。農薬や種子産業は、全世界で1000億ドル相当の莫大なものだ。 その中で、除草剤の売上高だけで260億ドルを占めている。
だが近い将来、エコロボティックス(ecoRobotix)が作ったようなロボット(上の写真)が畑の上を行き来し、コンピュータービジョンを使って、個々の雑草に的を絞って除草剤を散布できるようになりそうだ。 エコロボティックスはロボットを使えば、除草剤の総使用量を20分の1に減らせるだろうと主張している。家庭菜園には、掃除ロボット「ルンバ」風の小型バージョンが使えるようになるかもしれない。
AIによる除草技術が使われるようになるのは遠い先のことではない。 昨年、ジョン・ディア(John Deere)がこの技術に参入し、精密散布のスタートアップ企業ブルー・リバー(Blue River)を買収した。すなわち、ジョン・ディアのトラクターは間もなく、雑草に狙いを定めて除草剤を散布する機能を装備するようになるかもしれない。大手農薬会社は、化学薬品の需要減少に備えて、類似のテクノロジーを扱う企業を買収しようと必死になっている。